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【京商 1/43】日産 スカイラインGT-R (R34) V-spec N1 [1999] [京商]

Model
NISSAN SKYLINE GT-R (BNR34) V-spec N1

Model No.
03388N1
110408a.jpg

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今回も入手したばかりのHOTモデルを。京商のR34ベースが続きます。

1999年1月に登場したR34型スカイラインGT-R。発売当初のカタログラインナップには、基準グレードの「標準車(STD)」、空力特性にも力を入れた「V-spec」以外にも、スーパー耐久参戦ベースマシンの「V-spec N1」グレードがありました。

スーパー耐久(旧称・N1耐久)とは、市販車を改造した車両によって行われるツーリングカーレースで、レギュレーションで許される改造範囲が極めて狭く、ほぼ市販車両に近い型で行われる為、ベースマシンそのものに高いポテンシャルが要求されるカテゴリーです。

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R32の代からN1仕様車は存在していましたが、市販カタログに記載されるようになったのはR33の時から。
「レース用のマシン」と聞くと”一般公道を走れない”イメージがありますが、ストリートユースでも何ら問題なく購入・走行できました。

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R34型GT-RではV-specをベースに耐久性と軽装化に注力。以下、N1仕様車(前期)の装備を列挙します。

★N1専用装備
○ツインボールベアリング軸受メタルターボチャージャー
○大型空冷式エンジンオイルクーラー
○大型リヤブレーキ(ローター径:φ32.2cm)

★GT-R V-specに対する主な非装着装備
○リヤ間けつ式ワイパー
○リヤフォグランプ
○リモートコントロールエントリーシステム(いわゆる、キーレスエントリー)
○助手席バニティミラー(サンバイザー裏の化粧鏡)
○エアコンのクリーンフィルター
○トランクリッドトリム(内張り)
○オーディオ(アンテナ・ハーネス類は装備)
○グローブボックスランプ&グローブボックスダンパー
○スーパーファインハードコート

★GT-R V-specに対する変更装備(「V-spec」→「N1」)
○UVカット断熱グリーンガラス(全面)→グリーンガラス
○ドアマーカーランプ→リフレクター仕様(後続車にドア開口を知らせる下部の赤い注意灯のことです)
○ボディーカラー同色電動格納ドアミラー→ブラック塗装ドアミラー(電動格納なし)
○本革巻パーキングブレーキレバー→樹脂製
○本革センターコンソールリッド→樹脂製
○オゾンセーフフルオートエアコン→ヒーター機能のみ(外気温度表示機能有)

※ボディカラーはホワイト〈♯QM1〉のみ、販売価格:599.8万円(生産台数34台)


(ブラックアウトされたドアミラー)
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(サイドブレーキレバーの握りは樹脂製となり簡素化)
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(通常ならば、[MODE]ボタンの下にエアコン用コンプレッサーのON/OFFスイッチ[A/C]があるのですが…)
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特にN1専用のエンジンパーツは多く、メタルタービン以外にもN1強化シリンダーブロック、N1強化ピストン、N1ピストンリング、N1オイルポンプ、N1ウォーターポンプなど、実際のレースでは改造に制限が係るエンジンには、市販車の段階から信頼性の高いパーツが装着されています。
キーレスエントリやエアコンが無かったり、樹脂パーツを多用するなど、他のGT-Rグレードに比べ快適性や質感はスポイルされていますが、その高い耐久性は実戦では非常に重要な要素でした。

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N1仕様車の判別法ですが、外観ではほとんど区別がつきません[もうやだ~(悲しい顔)]
数少ない判別ポイントとして「ブラックドアミラー」や「バックフォグレス」がありますが、これらはパーツ交換で「なんちゃってN1」にいくらでも変身できます。BNR32限定車の「NISMO」同様、リアウィンドウにワイパーが無いことが外観で唯一の判別ポイントと言えるでしょうか・・・

一方エンジンルームを見れば判別は簡単で、通常エアコンのコンデンサーが設置されるスペース(ラヂエター前面)に空冷式オイルクーラーが鎮座し、コーションプレートの車種記号・末尾5桁のオプションコード「--L--」がV-spec N1の特徴です。N1仕様車にはメーカーオプションの設定がなかったため、「-(ハイフン)」表示となる訳です。
(ちなみに、後期型V-specⅡ N1の末尾表記は「--1--」でした)

N1純正の空冷式オイルクーラー (エアコンを後付けする場合、コンデンサー設置スペースの確保が大変なんだとか)
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V-spec N1仕様車のコーションプレート
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青いコーションプレートに「BNR34-00xxxx」からスタートする車体番号と工場ナンバー「5」は前期モデルの証し。コーションプレートの記号からは、実に様々な情報が読み取れます。今回良い機会なので色々と調べてみましたが…
膨大な情報量に、ここで書くのは諦めました[ふらふら]

コーションプレートの記号については、またの機会に改めて解説させていただきます。

※参考文献:モーターマガジン社刊「GT-R BROS. 01」, p114-117

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今回ご紹介するGT-Rミニカーは、R34前期型のV-spec N1を再現した京商の「NISSAN SKYLINE GT-R (BNR34) V-spec N1」です。

この3月末に発売されたばかりで、先日ご紹介したばかりのRAI'S「埼玉県警R34覆面車両」と発売が近く、これら2モデルのボディーは同時期に同じ金型でまとめて生産されたのではないかと思っています。

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数あるR34ミニカーの中でも、京商の金型が”良くも悪くも”一番本物に近いような気がします。
”良くも悪くも”というのは、ボディーラインにデフォルメやメリハリを与えることで、ミニカーをもっと「本物らしく」、もっと「格好良く」見せることもできるのに、敢えて控えめにしているように感じるからです。

フェンダーの張り出しなどにメリハリが少ない分、ミニカーにすると若干迫力に欠けるけど、これが実寸法に近いんだろうな~ってところです。

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そして京商のR34で特筆すべきは、第二世代GT-Rの「顔」ともいうべきRB26DETTエンジンを、この小さな1/43スケールで再現していること。ボンネット開閉などのギミックを入れるとボディー全体のプロポーションが崩れやすく、特にスケールが小さいほど粗が目立ちやすいのですが、違和感無くまとめているのはお見事。

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フロントのグリルメッシュに金属パーツを採用したり、リヤのディフューザーにはカーボン地の模様を入れるなど、随所に京商のこだわりを感じます。

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N1仕様車の特徴でもある「バックフォグレス」、「リヤワイパーレス」もきちんと再現されていましたが、リヤ周りの塗装が厚ぼったいのが気になりました。リヤバンパーの「SKYLINE」ロゴやテールランプ周りのモールドが埋まっていたりと、のっぺらと平面的なテールに見えるのが残念[バッド(下向き矢印)]

(N1を除くGT-R全車とR34の寒冷地仕様車はナンバー右横に赤いバックフォグを装備。左側はバックランプで共通)
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【比較例】 V-specⅡのバックフォグ
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(リヤワイパーはありません。プライバシーガラスなどのメーカーオプション設定もありませんでした)
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それと、ボンネット。前期型なのでNACAダクト無しの仕様ですが、ボンネット裏は後期型(NACAダクト有り)のパーツを流用している感じがします。

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意外にも、今までモデル化されたことのなかったR34の「V-spec N1」。実車生産台数34台の超希少車。
またひとつR34に新しいラインナップが加わりました。

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「独断と偏見」によるモデル評価

・プロポーション:★★★☆☆
 京商R34の個人的な評価は、良くも悪くも”標準的”です。極端なデフォルメも無く、ナチュラル。
 その分、誰もが安心して鑑賞できるプロポーションだと思います。

・レア度:★☆☆☆☆
 まだ発売されたばかりで、生産数も潤沢にありそうです。

・プレミア(相場):★☆☆☆☆
 定価、あるいは値引き価格で購入できます。当分の間はプレミアとは無縁でしょうか。
 
※ご参考まで…
 現在の平均相場:「当時の定価」×「の数」


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<ご注意>
本ブログの内容は、筆者の独断により記事化しております。事実と反することや間違いがあるかもしれません。そのような観点からも、本内容についてメーカーさんへの問い合わせはご遠慮ください。その点をご理解の上、楽しく読んで頂ければ幸いです。
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コメント 4

烏龍茶

こんにちは。
僕も購入しましたが、確かに京商は可もなく不可もなくって感じですね。
実車のN1は見たことはありませんが、今回のミニカーもその特徴はうまく再現されていますよね。
僕も塗装が雑な印象を受けました。
もう少し丁寧な仕上げを心掛けて欲しいですね。
今回はプレミアとは無縁そうですね。
by 烏龍茶 (2011-04-09 13:34) 

黒い戦闘員かず

こんにちは^^
GT戦闘員から黒い戦闘員かずに名前を変えました^^;

知らなかった事も多くいい勉強になります^^

先日のR34の覆面の話ですが、私が捕まったのはGT-Rじゃなく、普通のR34です^^;

誤解を生む様な文章で申し訳なかったです。
by 黒い戦闘員かず (2011-04-09 17:47) 

GT-Rマニア

烏龍茶さん、こんにちは。

実車のN1は僕も見たことありませんね~たぶん。
もしかしたら見掛けてるのかもしれませんが、意識して見ないとスルーしちゃうくらい判別ポイントが無いですね。

BNR34が登場したての頃、バックフォグレンズを透明のモノに替えて(R34基準車のパーツと交換)、バルブを赤色に交換して「N1仕様のバックフォグ」にするプチチューンが流行っていました。

京商のR34は嫌いじゃないんですけど、迫力に欠ける印象があります。

ミニカーにしろ、プラモデルにしろ、多少なりとも実車より誇張させたデザインにするのは模型造型の定石なのですが、その辺りの”程度”や”強弱”は各メーカー・各担当デザイナーのセンスが大きくて、出来上がりのミニカーの印象を大きく左右します。

同じ34なのに各メーカー印象が違う…そこがまたコレクション魂をくすぐるのですが。。

by GT-Rマニア (2011-04-10 13:44) 

GT-Rマニア

黒い戦闘員かずさん、またまたご訪問頂きありがとうございます。

僕自身も忘れていた、あるいは知らなかった内容が多くて(汗)、記事を書く度に勉強しなおしております。

最近34が続いておりましたが、32も徐々に取り上げていきますのでご期待下さい。

覆面の件は全然大丈夫ですので、お気に召さらずに。

by GT-Rマニア (2011-04-10 13:53) 

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